ピアノトリオが気になる。
北海道でも暑い日が続きます。こういう日は暑苦しいサックスなど聴く気になれず、専らピアノ・トリオとか軽めのクラシックとか聴いてます。
そんな訳でそのあたり続くと思いますのでよろしくお願いします。
ケニー・ドリュー・トリオ/リヴァーサイド
ケニー・ドリュー・トリオ/リヴァーサイド
1.キャラヴァン
2.降っても晴れても
3.ルビー、マイ・ディア
4.ウィアード・オー
5.テイキング・ア・チャンス・オン・ラヴ
6.星に願いを
7.ブルース・フォー・ニカ
8.イッツ・オンリー・ア・ペイパー・ムーン
ケニー・ドリュー(p) / ポール・チェンバース(b) / フィリー・ジョ・ジョーンズ(ds)
1956年9月20、26日日NYC録音
チェンバース&フィリー・ジョーのサポートによる名盤はいかに多いことか。これもその一枚。
トラック1「キャラバン」、もう少し絞ると、この曲のイントロのフィリー・ジョーの天才的なひらめきで、このアルバムの成否は決定付けられる。フィリー・ジョーの野生的なビートに先導され、チェンバースが絡む。そしてドリューがお馴染みのメロディーを思いのほか淡々と弾く。この、プレイヤーが一人ずつ増えていく、その瞬間にジャズを感じる。4ビートに移ってからのフィリー・ジョーの扇情的なドラミング、ブルージーなドリュー、いずれも絶品。
「ルビー・マイ・ディア」は評判よりも感情過多というきらいもあるが、絶品はやはり「星に願いを」である。少しずつキャンバスに色を重ねていくかのように演奏が盛り上がっていく。
モノラルだががっちりした低音と中音が魅力的。
小気味よいタッチ、躍動的なリズム感が全体を支配する、やはりこれは名盤だ。
個人的主観による星の数(5つ星で満点、☆は0、5点)。
★★★★
もしも無人島で音楽聴くなら
今週のTBテーマだが、わたしはGONTITIを選びたい。快適な音楽に、自分が無人島で救助を待っているのを忘れてしまうかもしれない。
「THE BEST OF GONTITI」を推薦。
1.放課後の音楽室 |
10.動物達集まる (Hilo)(remix) |
再び幻想交響曲:ノリントン、コリン・ディビス
旅行の荷造りが手間取り、CDはステレオの前に片付けていないものを数枚、かばんに押し込んだ。ノリントン~シュツットガルト放響と、もう一枚、コリン・ディビス~ロンドン響の2種類の幻想交響曲(ベルリオーズ)と、ジョシュア・レッドマンの「ウイッシュ」、マイルスの「いつか王子様が」の4枚。
少し前の記事でノリントンの演奏を「田舎の」などと書いてしまったが大きく反省。楽器の音色でしか判断していなかった。彼のインタビュー記事がネットで検索するとすぐに出てくるが、その中で、彼のポリシーについて書かれているくだりが面白い。
まず、彼の演奏は、近代、現代の曲でない限り、ノンビブラート。そのことについて彼はこう述べている。:
「ビブラートは1930年代までは使われていなかったことなどを説明をし、考え方を理解してもらうと、彼ら(シュツットガルド響)はきちんと取り組んでくれました。ただ、ビブラートというのは、チェーン・スモーキングのようなもので、奏者の立場では、止められないと言うか、自然に手が震えてしまう(笑)という問題はありますけど」
「大切なのは、フレージングです。ビブラートをかけなければ、何かそれに代わるものが必要ですね。ただ単に音をまっすぐ伸ばしているだけでは、面白い音楽にはならない。ビブラートなしというのは裸みたいなものですから、服を着ないことにはね。もちろん、ビブラートの有無にかかわらず、音楽にフレージングは必要なのですが、ビブラートをかけてしまうと、フレージングが疎かになりがちなようです」。
いやー現代の演奏について多くの啓示を含んでいると言うか。ちなみに彼は、重度の脳腫瘍で大手術を
したものの余命数週間と宣告された。しかし、NYの食事療法の(本人の言葉を借りると「クレイジーな」)権威のもとで奇跡的に回復したとのこと。
また、彼はこの演奏で、ベルリオーズの当時の楽器編成をなるべく忠実に再現し、ベルリオーズの意図を完全に反映しようとしている。このCDでは左右に2台ずつハープを配置し、2楽章冒頭ではステレオ効果が絶大。最近の演奏では、スタジオレコーディングでも、2台のハープを向かって左側に配置しているものが多いので、これはある意味画期的なことだ。
5楽章の鐘は低音に不安定な倍音が響くものを使用。
ノリントンが凄いと思うところは、ピリオド演奏にありがちな実験臭が全くしないことだ。5楽章、クライマックスではアッチェレランド気味に加速、堂々と曲を閉じる。聴衆の熱い声援も納得だ。
それにしてもわたしたちを楽しませてくれるなんと素晴らしい曲か。この曲は何とベートーヴェンの「第九」の3年後に書かれた曲。表題が付けられていること、また固定観念の導入も斬新。当時としては信じられないオーケストレーションだ。ベルリオーズの指示通りであれば、オーケストラは130人にも膨れ上がる。通常40~50人くらいでシンフォニーを演奏していた時代に。
この曲にはまだまだ「はまり」そうだ。
長くなったので、コリン・デイビスの新録は近日中に…。
マイケル・ブレッカーの奥様より
マイケル・ブレッカーの奥様よりコメントがありました。
下記の記事に3つあります。
http://ameblo.jp/jazzclub/entry-10002567152.html
内容としては、家族、親族に適合する骨髄ドナーがいなかったこと、そしてドナー登録の方法などが書かれており、最後の部分で日本のファンのサポートに感謝しています。
ご主人を愛する奥様の必死な思いが伝わってくるメールです。
参考までにどうぞご覧ください。