韓国のクラシック・レーベル:YEDNANG(イエダン)
韓国で本格的クラシック・レーベルが始動した…と思ったら、もう日本との契約を打ち切るらしい。タワレコで1枚何と590円という大幅値下げを行なっている。
この「イエダン」というレーベル、本家は韓国の大手マネージメント会社で、ヨン様やチェ・ジウなども手がけている。その余力でクラシック・レーベルを始めたのだろか。
旧ソヴィエト国営放送の音源、しかもこれまで未発表だったものばかりを次々にリリース、というファンにはうれしいレーベルだった。しかも装丁は、通常のCDケースに美麗な厚紙ジャケットが付き、リマスタリングは24BITという気合いの入れよう。だがやっぱり韓国だなというアラも見えるのが正直なところだ(偏見ではありません。念のため)。
中身は正直、玉石混交。それだけに掘り出し物もある。
なんと言っても録音の少ないムラヴィンスキーの幻の演奏が聴けるはうれしい。
モーツァルト/フルートとハープのための協奏曲&交響曲第33番
1983年&1964年録音(残念ながら両方ともMONO)
秀逸なジャケット(だけど写真は左右反転)。
音はテレビのイヤホンジャックからラジカセに出力したような悲しい状態。
映像も残っている音源かもしれない。高音、低音共にカットしたような音である。
だが演奏は素晴らしい。どちらの演奏も聴き始めから数分で音楽に引き込まれる。
いわゆるウィーン的な優雅さは皆無だが、ピーンと張り詰めたすがすがしさを感じる。
チャイコフスキー/交響曲第5番
1982年録音(ステレオ)
これは巨匠最晩年の貴重なステレオ録音。録音は鮮明で、3楽章のヴァイオリン両翼配置、
楽器の定位なども安定している。
音も演奏も、恐らくMELODIAのものよりも格上。
ムラヴィンスキーの非常に厳しい音楽に対する姿勢を、音の悪さというストレスなしに味わえる。
絶対のお勧めである。
他にガウク対ムラヴィンのベートーヴェン「運命」聴き比べ盤なども良い。
韓国に旅行に行くときなど、「イエダン」の新譜を地元のCDショップで探すのはいかがだろうか。